僕も7年前までは喫煙者でした。
病院に勤務していたときは、院内で禁煙が提案されたなら「タバコぐらいよかろもん」といって、最初に反対していたのは僕でした。
そんな僕も今では患者さんに禁煙を薦めています。それは、タバコを止めて本当に良かったということを、身をもって実感しているからです。
タバコの値段の60%以上は税金です。タバコ税などで日本では年間2兆8千億円の経済効果があるといわれています。
しかしながら、タバコが原因の病気による医療費などによる損失は5兆6千億円にも上ります。日本経済から見ても損失の方が大きいということが分かっています。
喫煙により肺がんで4.5倍、喉頭がんで32.5倍死亡率が高くなります。発癌性のみならずタバコは気管支炎や胃潰瘍や心筋梗塞などの大きな原因になっていますし、妊娠中の喫煙は未熟児の原因にもなります。
タバコは美容にも悪影響があり、タバコを吸う女性は吸わない女性に比べ、5歳以上も肌が老化します。男性ではインポの原因にもなります。
タバコの害によって、日本人を年間11万人、世界中では400万人の人間が死亡しています。「タバコを止めてまで長生きしたくない」という方もいらっしゃるかもしれませんが、非喫煙者は平均8年間の闘病生活の後77歳で死亡するのに対し、喫煙者は13年間闘病し70歳で死亡するとされ、結局タバコで病院通いする期間が長くなるということになります。
軽いタバコに変えても、タバコの本数を減らしてもニコチンが体内に入る量は余り差がありません。止めるときは「スパッ」止めた方が楽に止められますし、ストレスも少なく済みます。
7月からタバコの値段も上がりました。禁煙するのにいい機会かもしれません。 自分の意思だけで止められないときはニコチンパッチなどの「ニコチン代替療法」もあります。
6月から医療保険で禁煙治療が出来るようになったので、かかりつけの先生に相談してみてください。
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